画面に向かって空中元彌チョップ2.2

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「仮面ライダージオウ」は時空と経済を破壊するライダーなのか?

はじめに言っておく。まだ序盤も序盤、2話までが終わった時点での仮面ライダーの考察は非常に危険である。

平成ライダーをそこそこ見てきた経験則として、序盤で提示される問題や情報は、「あくまでこうなるかもしれないイメージでした」、というオチは非常に高い。でも!それでも!考察しちゃう!くやしい!だって結構面白かったんだもの!

 

<誰が、何のために、どうして、の整理>

仮面ライダーをがっぷりおつで見るのは「鎧武」以来なのですが、ずいぶんCM多くなったね…じゃなくて!人間関係が序盤なのにかなり複雑なのではないか…ということです。自分用メモも兼ねて書き出してみました。

 

  • ソウゴ:主人公。将来の夢は王様というマジキチ天然。50年後魔王になる。
  • ゲイツ:50年後からやってきた戦士。ソウゴを消したくてウズウズしている。
  • ツクヨミ:同じく50年後からやってきた少女。ソウゴは「違う」と感じる。
  • ウォズ:ソウゴを「王」に導かんとする青年。ネタバレしてくるので注意!
  • ウール:タイムジャッカーの少年。僕と契約して仮面ライダーになってよ!
  • 生瀬勝久:ソウゴの大叔父。若い時何かを成そうとして叶わなかったらしい。

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↑ソウゴ君の「王様になりたい」発言はほとんどこれと同一だと思いました。マジキチなのでは…

あと書き出してみると、あからさますぎるぐらいに生瀬勝久怪しくない?実力派俳優を黒幕ミスリード起用するのは「お約束」ですが、ストレートに黒幕の可能性もあるし、とりあえずゲイツ君はソウゴ君より先にものは試しで生瀬勝久殴ってみよう。黒幕じゃなくてもガジェットのひとつも落とすかもしれないぞ!

 

んで、それぞれが何をしたいのかと言うと、

  • ソウゴ:王様になりたい。
  • ゲイツ魔王を倒したい。未来じゃ倒せないけど過去ならやれる!
  • ツクヨミ魔王を倒したい。でも魔王になるはずの奴が魔王っぽくないぞ。
  • ウォズ:我が王!
  • ウール:新しい王を擁立したい。僕と契約して仮面ライダーになってよ!
  • 生瀬勝久:かわいい従甥孫の進路が「王様」なのですげぇ心配

 

2話までが終わった時点で主人公の動機が一番わけわからないという…もちろん今後語られていくんだろうけど、彼が50年かけて魔王化するのか、突然魔王になったのかも不明なので、ゲイツ君はソウゴ君を消したくてウズウズしている暇があったら未来に何があったのかわかりやすく説明してください。

あとすでにしてそこはかとなくポンコツでいい人そうなのが滲み出してるゲイツ君と反して、行動の意味が実は全然わからないウール君の方は不穏です。

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↑擁立した結果何が起こるのか、なぜそんなことをしようとしてるのか…

 

そんなこんなで過去に行ったりなんだりすったもんだの末、アナザーライダーは倒され事件は解決!…したように見えて、なんと先々週まで頑張ってたビルドが力を失うどころか存在が別人になるというショッキングな事態に…しかもそこあんまり引っ張らないし!なんで!?

これがどれだけショッキングなことか、主人公がわかってないということなの…?ゲイツ君たちが未来からやってきたのはこの「改変」を阻止することじゃないの…?

 

<時空と同じくらいさかしまにかえらないもの>

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ちょっと話は変わりますが、ツクヨミちゃんが大江戸で出したデバイスフリックすると貨幣がジャラジャラ出てくる!

一見画期的なアイデアの産物に見えて、これ貨幣・流通の法則をガン無視してるよね?大江戸の貨幣価格大暴落だよね?

ネタだと思うんですよ、ネタだと。でもジョブズゲイツだウォズだと経済にも多大な影響を与えた人物の名を冠するキャラが登場しているなか、これは本当に無意味なネタだったのか?

考えてみたら時空と同じくらい、さかしまにかえらないものって流通なのでは?

何気ない行動、悪意のない振る舞い、困ってる人を助けたい、という自分が選んだ選択が、結果的に世界とライダーの運命を激変させたまま戻らない、というすさまじい代償の象徴なんじゃないの?と思ったのです。なんにも関係ないかもしれないけど…

 

<時空と経済を破壊する?ライダーの物語ははじまったばかり>

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そんなこんなで考えだしたら眠れなくなるからライダーの考察は楽しくも厄介ですゲイツ君の目的は果たして達成されるのか!?

 

 

Netflixで「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」視聴

 

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よくも悪くもその後のファンタジー映画の有り様を決定づけてしまった「ハリー・ポッター」シリーズの世界観を再利用した新シリーズの第一弾。物語の主役はこのお兄さんのはずなのですが、実質主役兼ヒロインは下のおじさんでした。おじさんが大冒険する映画でした。おじさんはすごい頑張った。

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↑実質主役のおじさん。本当にふつうのおじさんです。

 

特筆すべきはやはり実在の魔女裁判事件に絡んだエピソードが重要な下敷きになっている点でしょうか。J・K・ローリングが絶対こだわっている、「親、もしくはそれに相当する人に愛されなかった、社会から爪弾きにされた子供はやがて…」みたいな要素も顕著。

やがて最強最悪と言われるヴォルデモート卿が生まれてくる素養が世界の中で順調に育まれている、全体的には暗さが目立つ、全く子供向けでない話です。おじさんがいなかったらどうなっていたことか…

 

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雨が当たると死にます。「ザ・レイン」

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Netflixで全8話イッキ見視聴。

いわゆるポスト・アポカリプスものです。雨が降ったら世界が終わりました。

この殺人雨を逃れ、シェルターに避難していた姉弟が物語の主人公です。まだ子供だった2人は父親の「必ず迎えに来る」という言葉を信じて、6年間シェルターの中で待っていたのですが、さすがに備蓄も尽き、外の様子もわからないままな現状にしびれを切らし、外に出て父親の足跡を辿らんとします。

少ない食糧を巡って争う人々、謎の行動を取る武装集団、身近な人物に隠された重大な秘密、やがて彼らは世界崩壊の核心へと迫っていくのですが…

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↑主人公グループ。大体いつもお腹空かせてる。

 

雨に当たると死ぬ、ということから始まる「縛り」が面白かったです。雨がダメなら水もダメ、水がダメだから自給自足で植物も育てられないし、人間だけに有害なので水をガブ飲んでる動物の肉を食べることもできない。移動時も、水たまりは実質地雷原、橋が落ちてたら河渡れない、屋内に避難しても雨漏りに注意しないと…などなど、世界はすっかりハードモード。

ごく普通に考えたらとっくに滅んでいてもいい世界でなぜ細々とではあるけれど生き残りがいたのか、そもそもまるでこの惨劇を予期していたかのように各地にシェルターがあるのはなぜか、この雨はなぜ人にだけ牙を剥くのか…

空腹と疑心暗鬼と惨劇の中で、それでも人間性を発揮できるのか、それはどんな残酷な真実も越えうる力になるのか。そんな物語でした。シーズン2が作られるようですが、姉弟と仲間たちが無事に生きることができる世界に到達できるのか、楽しみです。